短命な超感覚者は異世界転移した甘薬者に治癒されたい
[著]まきたろう [画]おぽちゅに
――父が生きてくれてさえいれば、それで良かったのに
唯一の家族を亡くし、生きる意味を失った御厨コウは、ある日意識を失い目を覚ますとそこは見知らぬ場所――異世界「タカシマ」だった。
この国には五感を極限まで研ぎ澄ませた「超感覚者」と呼ばれる人々が暮らしてること、超感覚者はその能力のため短命で、自分が寿命を延ばす力を持つ「甘薬者」であることを知る。
そして、コウを助けてくれた道明家の若き当主サカエもまた、優れた知覚を持つ超感覚者だった。そのため短命という運命を背負っていることを知ったコウはサカエと契約し、彼のそばで暮らすことに。
しかし、サカエはコウを「手段」として利用することに葛藤し、彼を遠ざけようとするが……。
一方のコウは、サカエの役に立ちたいと願う中で、彼への淡い恋心を自覚していく。
運命に翻弄されながらも、絆を深めていくコウとサカエ。
そして、コウのもっていた花器の真実を知った二人の選んだ行き先は……。
短命という宿命をもった不器用で優しい超感覚者と、唯一寿命を伸ばす薬になる異世界転移者との愛と運命の物語――。