聖職者のおっさんは勇者を捨てて逃亡します。探さないで下さい。2
[著]天城 [画]おもい央
――好きです、いつまでも貴方だけが
クラレンスが目覚めると、目の前には満面の笑みを浮かべたマクシミリアンがいた。
確かに死んでいた自分の体は、マクシミリアンにより無事『復活』している。
クラレンスが死んでから十年の月日が流れていた。
勇者エドワードは諸国に散った仲間を再度集めて国をまとめ上げ、周辺の小国と合併させた共和国を作ったという。
その過程で様々なことを学び時には裏切られたり騙されたりして、成長して名実共に国のトップとなったらしい。
そして魔王城へ第二の魔王となったマクシミリアンを討つため、仲間と共に攻め込んでくるだろうと思われたが……。
彼は単騎で魔王城へとやってきた。
十年が経ち、二十七歳になり輝くばかりに凜々しいエドワードを見たクラレンスは涙が止まらなかった。
「……俺の宝を返してもらいに来ました」
執着が止まらない勇者エドワードと司祭クラレンスの恋――完結。